旧バージョンのAutoCAD LT 98、2000、2000i、2002、2004、2005、2006、2007、2008、2009ではできなかったことが、AutoCAD LT 2010以降でできるようになっていることがあります。
さらにバージョン2017では新たな機能が加わっています。
グラフィックスの改善(LT2016から)
- 斜め線や曲線などの表示がギザギザではなく、スムーズに表示されます。
- DirectX11に対応していない場合でも、[スムーズライン表示]をオンにするとグラフィックスのパフォーマンスが改善されます。
- 設計の詳細をより明確に確認することができます。
スマート寸法記入(LT2016から)
- 寸法記入[DIM]コマンドは、選択したオブジェクトにより自動的に適した寸法線がプレビュー表示され、確認後、記入位置を指示すると寸法を記入できます。
- 直線状のオブジェクトにカーソルを合わせると、水平寸法、垂直寸法、平行寸法、角度寸法がプレビュー表示されます。
- 円または円弧にカーソルを合わせると、直径寸法、半径寸法がプレビュー表示されます。
- 記入する寸法毎にコマンドを使い分ける手間が削減されます。
中心マーク・中心線(LT2017から)
- 円/円弧に中心マーク、2線間に中心線を簡単に記入することができます。
- 中心マーク/中心線を記入した図形を移動すると、中心マークや中心線も合わせて自動的に移動します。
- システム変数により、作図画層、線種、線種尺度、形状、ギャップ、サイズの制御が可能です。
PDFインポート(LT2017から)
- PDFデータの図面を線分やTureTypeフォント文字として、AutoCADの図面中に読み込むことができます。
- 読み込まれた線分や文字はAutoCAD LTのジオメトリとなるので、AutoCAD LTの機能で編集できます。
- PDFデータ読み揉み時の条件を設定できます。尺度、画層、ベクトル/ラスターイメージ/TureType文字の読込みなどの項目があります。
直接pdf出力~pdfで表示/非表示切り替え
- 現在のAutoCAD LTは、他のソフトウェアを使用しないで直接pdf出力を行うことができます。
- 出力後のpdfは、Adobe Reader上で画層毎に表示と非表示が可能です。
- AutoCADから直接出力を行ったpdfはラスターイメージにも関わらず、AutoCAD側で外部参照するとosnapが有効になります。
- AutoCAD 2016よりPDFの作成は更に軽く高速になりました。SHXを含め多くのフォントタイプがサポートされ、ハイライト、コピー、検索できるテキストが増えました。
配列複写の機能向上
- ポリラインやスプラインなどに、一定間隔または等分割に図形を配置できます。
- 配置した図形は、個別に置き換えたり、一括で編集したりと素早い編集ができます。
- 矩形状配列複写や円形状配列複写も、とても使いやすくなりました。
素早い確認・素早い編集
- グリップによる編集が、大きく機能向上しました。
- 寸法(矢印方向や直列寸法と並列寸法)やポリライン(直線部を円弧に変換)など、グリップ編集から行える編集が増えました。
- 線分や円弧などが持つ情報(長さや角度など)も、コマンドを使用せずにすぐに確認することができます。
- 線分や文字などのオブジェクトを1つ選択すると、ショートカットメニューで”類似オブジェクトの選択”で、同条件で描かれているものを一括選択したり”類似オブジェクトを追加”で、同条件のコマンドを発動します。
- クリックしながらドラッグすることで[投げ縄選択]を使用できます。スペースバーを押すと、窓選択、交差選択、フェンス選択のオプションを循環できます。
表機能
- 2005以降、セルとして扱えるようになった表も機能向上しています。
- 表の中にブロックをサイズ調整して挿入したり、計算式を含む 様々な情報が入れられます。
- Excelとのリンクにより、一方を編集すればもう一方も同時に修正されます。
雲マーク
- 雲マーク[REVCLOUD]コマンドは、矩形、ポリゴン、フリーハンドから雲マークを記入できるようになりました。
- 新しい雲マークはグリップを使って簡単に編集できます。円弧が長々と伸びて表示されることはもうありません。
- コマンドラインから、既存のオブジェクトを雲マークに変換することもできます。
DWGファイル互換
- dwg一括変換(複数ファイルをバージョンを変更して一括変換する機能)や複数ファイルを一括してPDF書き出しするなど以前のバージョンには無かった変換にお使いの方にも大変便利な機能が搭載。
- AutoCADシリーズのネイティブな図面ファイル形式 DWG (拡張子.dwg)は、Trusted DWGテクノロジにより、オートデスク製品間で重要な図面内情報を安全に受渡しすることができます。デジタル署名機能を利用することで図面改ざんを検出すること もできます。
- AutoCADやAutoCAD LTは、Trusted DWG テクノロジを搭載しないソフトウェアで保存したDWGファイルを開く際、安全性を重視して警告メッセージを表示します。
ラスターイメージの外部参照
- 古いバージョンでは、AutoCADLTではラスターイメージを新たに外部参照することができませんでした。
- 現在のバージョンはAutoCAD同様簡単に図面内に読み込むことができます。
異尺度対応とレイアウト機能の向上
- Autodesk Application Managerに代わり、Autodeskデスクトップアプリがタスクバーに表示されます。製品アップデートや修正モジュールの通知、ラーニングコンテンツ参照などを行えます。
- 尺度毎に寸法や文字を用意していませんか?現在のバージョンでは、異尺度対応注釈を使用すれば、一度の設定で複数の尺度に対応でき、いつでも選択するだけで尺度変更できます。
- ビューポート機能も向上し、ビューポート毎に表示や非表示の設定を行うことができ、回転もできます。
- レイアウト-モデル変換コマンドで、モデル空間に書き出すことができ、他社CADとのデータ交換も安心です。